30% Club Japan 2019年5月1日 スタート

企業の役員に占める女性割合の向上を目的に、2010年に英国でスタートした30% Club (“サーティパーセント クラブ”)が30% Club Japanとして日本でも正式に活動を開始します。30% Clubは企業のトップ(*1)がメンバーになり、ジェンダーの課題を「喫緊のビジネスの課題」と捉え、自ら主体的にダイバーシティの取り組みを推進するキャンペーンです。30% Clubはこれまで世界13ヵ国・地域(*2)で展開しており、役員に占める女性割合の向上に貢献してきました。英国ではスタート当時12.6%であったFTSE-100の女性役員比率が、2018年には30%に到達しました。30% Club Japanはまず、企業及び組織のトップ30名のメンバー(下記参照)が参加し活動を開始します。また、同時に取締役会の多様性を働きかける機関投資家から成るワーキンググループ「Investor Group」も活動を開始します。

30% Club Japanは、企業のトップ層、特に重要な意思決定機関である取締役会や、エクゼクティブコミッティ(*3)の多様性は、“Groupthink”(集団浅慮)(*4)を回避し、様々なステークホルダーを考慮した議論、及び意思決定を可能とすることから、企業のガバナンス強化、リスクマネジメント強化はもちろん、適切な経営戦略立案やブランド強化にも寄与するものと考えます。加えて、インクルーシブな組織風土を醸成し、効率的な人材の活用はもちろん、イノベーションの創造を促進させ、日本企業の持続可能な成長に資するものと考えます。これを実証するように、様々な調査結果(*5)は、企業トップの多様性と、企業の利益率や、中長期的株価パフォーマンスとの間に正の相関関係があることを示唆しています。30% Club Japanは企業トップの多様性は、日本企業の世界における競争力向上の原動力になると考えており、ひいては持続可能な日本社会の構築に貢献するものと考えます。

30% Club JapanはTOPIX100の取締役会に占める女性割合を2020年に10%、2030年30%にすることを目標に掲げ、以下の3つのアプローチを有機的につなげ様々な取り組みを展開することで、日本企業のトップ層に占める女性割合を向上させていきます。

  1. トップのコミットメントとリーダーシップ

企業において変革を成功させるためには、変化を実現する権限とリソースを持つトップのコミットメントが不可欠です。30% Club Japanは企業や組織のトップのみがメンバーになることが可能です。メンバーは企業のトップ層に占める女性割合の明確な数値目標と期限を設定し、自社におけるダイバーシティの取り組みを積極的に、また主体的に取り組むことが求められます。

  1. 統合的アプローチ

30% Club Japanは機関投資家、政府、メディア、プロフェッショナルファーム(コンサルティングファーム、弁護士事務所、等)、エクゼクティブサーチファーム、大学等、ダイバーシティ促進における重要なステークホルダーが協業するプラットフォームとなり、網羅的に、効率的に企業のダイバーシティを加速させます。

  1. 世界で実績のあるイニシアチブ

世界各国の30% Clubで実績のあるイニシアチブ(取り組み)を、日本の課題を踏まえカスタマイズし、展開することで早期に効果を実現します。プログラムには、取締役会の多様性に直接働きかける「ボードルームイニチアチブ」と、次世代の女性リーダーのパイプライン強化を図る「パイプラインイニチアチブ」があります。ボードルームイニチアチブのうち30% Clubの展開国で大きく実績をあげているプログラムの一つとして「Investor Group」があります。

【Investor Groupの活動】

機関投資家(アセットオーナー、アセットマネジャー)から成るInvestor Groupは、スチュワードシップに基づき、株主利益の最大化を目的に、投資先企業に対して取締役会における多様性を働きかけるグループです。Investor Groupは取締役会の多様性促進に向けたアプローチを「Statement of Intent」(趣意書、別紙参照)として表明し、賛同する機関投資家がInvestor Groupのメンバーになることが可能です。Investor Groupに参画する機関投資家は、 自身の独自の判断において、その投資先企業に対し、取締役会の多様性のビジネスメリットを説明し、情報開示や、選任プロセスにおけるベストプラクティスの共有等を行います。
Investor Group Chair: バンク・オブ・ニューヨーク・メロン 在日代表 ダグラス・ハイマス

■ 名称の由来について

30%は意思決定において影響を及ぼすことが可能な量(マス)=「クリティカルマス」とされています。取締役会等の意思決定機関に占める女性割合を30%に到達させることで、多様性がもたらすビジネスメリットの恩恵を受ける可能性が高くなります。

■ 30% Club Japanの概要

  • 名称:30% Club Japan
  • URL: https://30percentclub.org/about/chapters/japan
  • ※運営体制の詳細、FAQ等はウェブページをご参照ください。

 

・発足時運営体制(*6)

Advisory Board Members:         
ハイドリック&ストラグルズジャパン合同会社 東京オフィス代表  飯沼 綾
株式会社 資生堂 代表取締役社長 兼 CEO 魚谷 雅彦
デロイト トーマツ グループ ボード議長 後藤 順子
バンク・オブ・ニューヨーク・メロン 在日代表 ダグラス・ハイマス
昭和女子大学 理事長 ・総長 坂東 眞理子

Japan Campaign Manager:
デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 シニアマネジャー 只松 美智子

 

・メンバー: 30名(423日付)

TOPIX 100(順不同、敬称略): 味の素株式会社 代表取締役 取締役社長 最高経営責任者 西井 孝明/アステラス製薬株式会社 代表取締役会長 畑中 好彦/MS&AD インシュアランス グループ ホールディングス株式会社 取締役社長 グループCEO 柄澤 康喜/株式会社 資生堂 代表取締役社長 兼  CEO 魚谷 雅彦/SOMPOホールディングス株式会社 グループCEO 代表取締役社長社長執行役員 櫻田 謙悟/株式会社大和証券グループ本社 取締役会長 日比野 隆司/株式会社大和証券グループ本社 代表執行役社長 中田 誠司/東京海上ホールディングス株式会社 取締役社長 グループCEO 永野 毅/株式会社日立製作所 代表執行役 執行役社長兼CEO兼取締役 東原 敏昭/株式会社りそなホールディングス 取締役兼代表執行役社長 東 和浩

TOPIX Mid 400(順不同、敬称略): 株式会社 電通 代表取締役執行役員 遠谷 信幸/株式会社 日立ハイテクノロジーズ 代表執行役 執行役社長 宮﨑 正啓/株式会社丸井グループ 代表取締役社長 代表執行役員CEO 青井 浩

その他メンバー(順不同、敬称略): デロイト トーマツ グループ ボード議長 後藤 順子/デロイト トーマツ グループ CEO 永田 高士/MSCI合同会社 マネージング・ディレクター 長澤 和哉/シティグループ シティグループ日本代表 リー・ウェイト/スタンダードチャータード銀行 在日代表兼最高経営責任者 竹内 靖典/ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ株式会社 代表取締役社長 髙村 孝/日本におけるドイツ銀行グループ チーフ・カントリー・オフィサー 本間 民夫/バンク・オブ・ニューヨーク・メロン 在日代表 ダグラス・ハイマス/バンクオブニューヨークメロン証券株式会社 代表取締役社長 千原 いづみ/株式会社ウィリアムズ・リー・ジャパン 代表取締役社長 北アジア地区 マネージングディレクター 久保 明彦/ハイドリック&ストラグルズジャパン合同会社 東京オフィス代表 飯沼 綾/IHG・ANA・ホテルズグループジャパン 最高経営責任者 CEO ハンス・ハイリガーズ/昭和女子大学 理事長・総長 坂東 眞理子/津田塾大学 学長 髙橋 裕子/国立大学法人 東京大学 総長 五神 真/国立大学法人 新潟大学 学長 髙橋 姿/在日英国商工会議所 専務理事 ロリ・ヘンダソン

政府賛同者(順不同、敬称略):内閣府男女共同参画局 局長 池永 肇恵/経済産業省 大臣官房審議官(経済社会政策担当) 新居 泰人

・メンバーシップについて:

大手上場企業(常時301名以上の従業員を持つ上場企業)の社長、会長、ボード議長、もしくは同等のポジションの方が30% Club Japanのメンバーとなることが可能です。加えて、30% Club Japanの重要ステークホルダーである金融機関(特に機関投資家)、政府、プロフェショナルファーム(コンサルティングファーム、弁護士事務所、等)PR会社、エクゼクティブサーチファーム、大学のトップは上場・非上場に関わらずメンバーになることが可能です。 詳細はウェブページを参照ください。

 

<報道関係からのお問い合わせ>
30% Club Japanに関するお問い合わせ:

30% Club Japan Campaign Manager 只松 美智子
jpdt30percentclubr@tohmatsu.co.jp

(*1) CEO、会長、ボード議長、また同等のポジション

(*2) 英国、米国、オーストラリア、カナダ、アイルランド、イタリア、トルコ、GCC(Gulf Cooperation Council、湾岸協力理事会)、香港、マレーシア、南アフリカ、東アフリカ、ブラジル

(*3) 執行側の意思決定機関。通常CXOから成る意思決定機関

(*4)  組織・集団の意思決定において十分な議論が行われず、不合理あるいは危険な意思決定が容認されること、あるいはそれにつながる意思決定パターン

(*5) 参考調査:

  • Delivering Through Diversity (McKinsey, January 2018)
  • The Tipping Point: Women on Boards and Financial Performance (MSCI, December 2016)
  • The CS Gender 3000: The Reward for Change(Credit Suisse, September 2016)
  • Is Gender Diversity Profitable? Evidence from a Global Survey(Petersen Institute, February 2016)
  • Women On Boards: Global Trends in Gender Diversity on Corporate Boards(MSCI, November 2015)
  • The Power of Parity: How Advancing Women’s Equality Can Add $12 Trillion to Global Growth (McKinsey, September 2015)
  • The Value of Diversity(Grant Thornton, September 2015)
  • The CS Gender 3000: Women in Senior Management(Credit Suisse, September 2014)
  • Gender Diversity and Corporate Performance(Credit Suisse, August 2012)

(*6) 今後Advisory Board MembersからChair, Vice Chairが選任されます。

 

<別紙>

 

 

30% Club Japan Investor Group Statement of Intent

20195

私たちはアセットオーナー、アセットマネジャーとして、顧客の資産運用に関する受託者責任を有しています。日本版スチュワードシップ・コードの例にもみられる通り、私たちがオーナーとしての責任を果たすことに対する期待は高まってきています。そうした責任のひとつに、投資先企業の取締役会、及びシニアマネジメントの評価があります。

適切なジェンダーバランスが実現され、多様なスキルや経験を持つメンバーで構成されている取締役会は、投資家によりよい成果をもたらします。実際に、多くの調査結果は取締役会、及びシニアマネジメントの両方におけるジェンダーダイバーシティと企業のパフォーマンスには正の相関関係があることを報告しています。更に、取締役会におけるジェンダーダイバーシティは日本版コーポレート・ガバナンス・コードでも、取締役会の有効性を確保するための前提条件のひとつとされています。

30% Club Japanと共に創設された30% Club Japan Investor Group(“Investor Group”)は、アセットオーナー、アセットマネジャーから成るグループで、投資先企業の取締役会に対して、組織のあらゆる層におけるジェンダーダイバーシティとジェンダー平等を促進するためのベストプラクティスを提供し、影響を及ぼすことを目的としています。

本Statement of Intentの目的は、長期的に持続可能な取締役会におけるジェンダーダイバーシティの実現に向け、確実に結果を出していくという、Investor Groupメンバーの強いコミットメントを表明することです。

 

目標

Investor Groupは、2020年末までにTOPIX100企業の取締役会における女性の割合を最低でも10%に引き上げること、そして2030年までにはこれを30%に引き上げることにコミットします。Investor Groupは、30% Club Japanの総合的な目的に沿って目標を追加設定することも検討します。私たちは透明性を高めるため、取締役会におけるジェンダーダイバーシティの状況について投資家に適宜共有し、設定したゴールに対する進捗状況を報告していきます。

 

投資先企業の情報開示について

Investor Groupは、受託者としての責任を果たすために、取締役会が取締役、及びシニアマネジメントにふさわしい候補者を選任するプロセスを含め、投資先企業のコーポレート・ガバナンスの問題について積極的に関与していきます。投資家の方々に、投資先企業のダイバーシティ推進に関する方針について理解を深めていただくために、投資先企業を訪問し、取締役会だけではなく、あらゆるマネジメントレベルにおけるジェンダーダイバーシティの状況をモニタリングし開示します。私たちはこのように透明性と説明責任を向上させることで、適性を持つ女性取締役候補者のパイプラインを強化できるものと考えています。

 

投資先企業との対話

Investor Groupは、長期投資家として、投資先企業との対話にあたり、受託者責任の優先課題としてジェンダーダイバーシティを位置づけることにコミットします。私たちは変化を促進し、この重要課題の進捗をモニタリングするために、取締役会やシニアマネジメントと建設的に対話を行います。またInvestor Groupは、投資先企業との対話の基礎を築くことに加え、より広範囲のステークホルダーと対話をしていくことも検討します。

 

オーナーもしくは受託者としての責任

投資家には、ジェンダーダイバーシティに関連する目標を達成するための手段がいくつかあります。Investor Groupのメンバーは取締役や監査役の選任・再任議案に対して反対票を投じることができます。特に、取締役会のジェンダーダイバーシティが進む兆候が一向に見られないときや、取締役会と対話を行ったにも関わらず、満足のいく成果が得られていない場合などにも、議決権を行使することができます。

 

報告

Investor Groupは、定期的に進捗状況を報告します。私たちの投資先企業との対話と、議決権行使行動について報告し、加えてジェンダーダイバーシィ促進のベストプラクティスを適用することで、素晴らしい変化を実現した投資先企業の実例を共有します。また、設定した目標に対する進捗状況も報告します。

 

法令等の遵守

Investor Groupは、守秘義務及び関連する独占禁止法の規定並びに精神を厳格に遵守することを約束します。Investor Groupは、いかなる場合においても、明示的であれ、黙示的であれ、競合企業間で競争を制限する虞のある合意をしたり、競争に影響をあたえる事柄について独立したビジネス上の判断を阻害する手段として、利用されるものではありません。Investor Groupの活動に関与するにあたり、各メンバーは、投資先企業の機密情報、機密情報として取り扱われる場合は議決権行使の内容や競争の要素を含む事柄を競合他社と共有することは禁止されています。また、各メンバーは、守秘義務及び独占禁止法に関連する事柄も含め、その単独の判断において、自らの社内ポリシー及び手続きに従い行動するものといたします。